2017−2018年九頭龍レポート field staff 高橋 誠
秋田6月解禁当時の低水位・高水温の釣りしか知らなかった私は、昔から九頭竜川のサクラマスには本当に手を焼いてきた。 九頭竜川は2月1日解禁(昔は2月16日解禁〜9月30日禁漁だった)の為、解禁当初は雪こそ少ないものの、ガイドも凍る超低水温。 秋田のサクラマスは今でこそ4月解禁となり、雪代も田植えの代掻きも攻略のキーとなるが、6月解禁の当時はそんな私に経験することのない九頭竜川の難攻不落ファクターだったのである。 そんな中、「バラッド10」や昨年発売された「ナムサン」といったシンキングミノー、そして今年リニューアルされたメタルバイブ「Z-METAL」の登場。 秋田6月解禁当時の低水位・高水温とは真反対である九頭竜川前期の高水位・低水温。 一筋縄ではいかない九頭竜川のレポートを、昨年と今年の”3次元的に攻める”をキーワードにお届けしたい。 2017年3月中旬 雪代が出る前で水位も安定し、週末だったこの日は入るポイントも無いくらい満員御礼・・・ 土手の上から空いているポイントを探しながら、ふと流れを眺めると・・・ 対岸のアングラー達がいなくなったのを見計らい、時間の置いてそのポイントに入る。 ナムサン17のヒスイゼブラをセットし、ダウンクロス気味に狙った深みに流す。 瀬は流れに任せてドリフトさせ、狙った深みではほとんど移動させずにネチネチとリフト&フォールを繰り返す・・・ 立ち位置を変えながら、その深みに入るベストな流し方を見つけた数投目。 ファイト中、テールフックがガッツリと口の蝶番に掛かっているのを確認。 ポロポロ細かく鱗が剥がれて漂う、ピチピチのフレッシュ・ランだった。 一定の層だけを誘うのでは無く、誘う泳層を意図的に変えて誘う”3次元的に攻める”手法を確信した1尾であった。
2018年4月初旬 今年は、56豪雪(昭和56年)以来という、大豪雪が福井県を襲い、長い期間に渡って生活が麻痺するどころか、死者まで出てしまうという痛ましい災害となった。 なんとかロッドが出せるようになったものの、山奥深くまで雪を抱えた今年の九頭竜川。 とかく私も、3月の3回の釣行は当たりどころかチェイスも無く、河川で会うアングラーの皆さんとの会話の中でも、今年はサクラマスの顔を見るのはかなり難しいようである。 もしかしたら、サクラマスの居る泳層と、ルアーの入る泳層が合っていないのではないか? ヘビータックル+ヘビーウェイトルアー。 流れが太く、水位も高い中、サクラマスの居る一つ下の層へルアーを入れる為、あえてディープミノーを使うのではなく、自重で泳層へ入れれるタイプのルアーをチョイス。 狙うべくポイントは、いつもならこれらヘビーシンキングルアーでは根掛かりが心配で流せないシャローのリフルエリアを選び、自分の攻め方を信じてキャストを繰り返す。 先行者が引き上げ、何も無かったと言われた人気ポイントが貸切り。 グン!! ・・・ヤバい・・・根掛かった・・・ 次の瞬間・・・ ジーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!! 突然ドラグが鳴り、沖に向かってものすごい勢いでラインが出る。 わずか数分と思われるが、長い長い時間が経過する。 足場はテトラだらけで、潜られたら一巻の終わりである。 大きくて寄らないが上に、意を決してテトラの際まで立ち込みランディグ準備。 ランディング1回目・・・大き過ぎてネットに入らないサクラマスは、私に向かってネットの上をガバガバ突進してきた・・・! 咄嗟に身を反転し、首まで水中に浸かりながら、無事(?)サクラマスをネットイン。 ランディングしたサクラマスを、緩流帯にネットごと移動するが、これが重くてなかなか動かない・・・ 周りのギャラリーの皆さんとドキドキしながら計量。 又長67.5cm(全長68cm超え) 初夏の秋田ではなかなかお目にかかれなかった、人生初の4kgアップ! これまた、”3次元的に攻める”を具現化できた1尾となった。 これから、北陸河川は終盤戦。 ただし・・・ この”3次元的に攻める”は、長年サクラマス以外にも渓流で培ってきたメソッドであり、自分の中では、高水位・低水温であっても、低水位・高水温であっても、どちらでも効果のあるメソッドであると確信している。 残り少ないサクラマス猟期・・・騙されたと思って是非お試し頂きたい。 SOULS 煖エ拝
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